この作品は、非常に密度の高い《メタフィクション小説》です。  夢……冒頭の臨場感溢れる生々しい悪夢、その仕掛けが読み進めるごとに、読者を圧倒します。  意識下と無意識と、視点(これは、現実での視点以外の大きな意味を含め)を重要視した、かなり入り組んだ構成で、読み終えて舌を巻きました。  中井英夫の『虚無への供物』が愛読書の私には、見事な作品のシンメトリー効果も感激です。上手い!

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