9×9=81

とりあえず、読破いたしましたのでレヴューを。 英雄になりたいという壮大であり、逆に拙いともとらえられる夢を抱いて学園の門をたたいたリュオ。しかし、高い素質を持つ反面、何物にも分類されない外れ者として、周りから疎遠されるようになる。くじかれた出鼻にあきらめかける最中、周りの色にも染まらず、個を貫き通すほど個性的な仲間たちと触れ合い、心を開きあい、葛藤しあい、少年少女だった志から一人前へと突き進んでいく。 この作品のコンセプトはタイトルにある通り「無属性」。 主人公のリュオの始まりは、容姿にもあるとおり無地もとい白から。ですが、彼は絵の具の白ではなく、全ての色を受け止める「パレット」だったと言えます。作中の無属性は、該当なしという粗悪な扱いを受けていましたが、物語が進むにつれて、よく言って万能、悪く言って器用貧乏ともいえる効果を発揮。その一方で、リュオの周りも赤から青、更なる深紅、闇色など登場する人物と出会い、当の本人もカメレオンのように色を変えるのではなく、流された絵の具を受け止めるパレットとして他者を受け入れる描写がありました。 まさかファンタジーの王道の敵である魔王すら、己の器に収めるというリュオの心の広さというか、容量の大きさというのか。リュオは英雄というよりは、もっと別の大物になる気がしました(笑)。 裁判官の服がなぜ黒いのか。それは「何色にも染まらない」という純粋で平等かつ良心的な意味がある反面、逆に「多くの色に染まり過ぎて黒くなり過ぎた」という皮肉の2説があります。冒頭で、リュオの羽根が黒くなったのは、ある意味では彼の未来が、自分というパレットに入れ込まれた色たちが、黒く染まるほど多く待っていることを示唆している気がしました。 もしかして、物語の全てを締めくくる伏線? あと、これは作品の内容に関係ないのですが、他の方のレヴューの指摘から「草」覚悟でページをめくりましたが、綺麗に「芝刈り」ができていたので、嫌悪感なくまっすぐに読み進めることができたのも大きな要因。
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レビューありがとうございます。無属性の緋剣士の作者ですヾ( ^ω^)ノ 正直、グナココナさんの深い読み取り能力に感服いたしました。作者の意図以上に色々と読み取って貰えて感激するのと同時に未熟さを痛感しております。 それにしても、パレットですか良い表現だと思います。リュオの能力や様々な伏線などは続編で明かされ回収されていきます。 それとゴチャゴチャした内容で自分にも原因がありますが、黒く羽根を染めたのは学園長です。羽根の話はリュオを陥れる為に作ったのが本音です(笑)…後付けさるかもしれませんが(^_^;) 最後に凄く丁寧かつ独創的なレビューをありがとうございます。作者自身も読んでいて色々

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