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白羽莉子
白羽莉子
2014/11/21 9:54
ジャンは剣を振るった。目の前で受け止めるのはリク。すぐにはねのけて、ジャンはリクに首を狙われる。体をそって避ける。そこを狙ってか、リクはジャンの鳩尾を膝で蹴った。息が一瞬つまった気がした。そして、動けずにいるジャンの首にリクの剣が軽く触れた。 「やっぱりジャンは甘い」 「うるせえよ。そもそもお前、何したのか分かってんのかよ。人殺しだぞ! しかも、この国の重役を何人も毒殺するなんて、何やってるんだよ!」 リクの剣から力が抜けるのが伝わる。ジャンはそう感じると、一歩下がり剣を名一杯リクに向けてふるった。リクが剣で防ぐと、つばぜり合いになる。ジャンが名一杯押すが、刃がきりきりと音をたてるだけだ。 「じゃあ、貴族数人の命と何万人もの平民の命、どっちが重いと思ってる」 「……ふっざけんなよ。政治が何か変わればいいだけの話だろ! ハルも変えるって躍起だったじゃねえかよ!」 つばぜり合いしていた剣がふと軽くなったと思うと、ジャンの息がまた一瞬止まった。二度目の衝撃に剣を落とす。 「軍は貴族の肩書きで暴走してるだけ。散々見てきたじゃないか! ハルは何も出来ずに困惑してるだけだろう?」 「だからって殺していいのかよ! 国を変えるにはもっとやりようあったんじゃないか?」 「法を変えるには貴族が掌握する議会をかいくぐらなければならない。軍の体制を変えるには身分制度の崩壊か法改正での貴族優遇制度の廃止が必要だ。それが簡単に変えられると思うか。ハルでさえ何もできないっていうのに」 ジャンは何も言い返せなかった。優秀な軍人とは言え、リクは被差別地域出身だ。ハルが助けていなかったら、今頃リクがもっと酷い目に遭っていたことは容易に想像できる。 「……ごめん」 その言葉がジャンの耳に残った、最後のリクの言葉だった。
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白羽莉子
2014/11/21 10:03
鐘を鳴らしてが頭の中から離れないから書いた。BONNIE PINKは聴かないからわかんない\(^o^)/ ビフレストでユリフレ風を目指したらこうなった。ジャンは続編主人公。リクは一作目の主人公。ハルは陽なので、完全別作品。いやあ、おそらくリクじゃあこういうことは緻密にやるだろうと思って毒殺。全然かっこよくない(笑)
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