岡田朔

廃材に囲まれたジャンク屋でカァン!と甲高い音を響かせる少し頼りない主人公ジグモに、男まさりの気を張って生きていそうな美人店長のリコさん。見た目可愛らしそうなのにやっぱり強そうなイサキ。 三人のハイテンポな掛け合いがとても冴えていて、つい見逃しそうになるけれど、そこここに伏線が張られているのか色々な所に小さな違和感を覚えながらも読み進めていくと、無機質で退廃的な雰囲気を感じさせる世界とは逆に、深い情を感じる人間関係。 20P弱とは思えない程の、濃縮されたSFの世界にあっと言う間に引き込まれ、僕(ジグモ)の抱える悩みや、彼女への想いに入り込んで青春気分に浸るのもつかの間。 徐々に見えてくる違和感の正体に何やらそわそわとさせられはじめ、一見コミカルな文章の中からその違和感のカケラを拾いだそうしますが、カケラが見つかるにつれ……。 とりあえず読むたびに泣いてしまうのは置いておくとして、このお話とても好きです。短い中にもジグモの成長が見られ、それがまた切ないです。 私のつけたタイトルを綺麗に回収して下さってありがとうございました。まさかSFで来るとは思っていなかったので、良い驚きを頂きました。 秋イベにご参加頂き、とても素敵なストーリーをありがとうございました。 期待を裏切るどころか大幅に上回る作品で、唯でさえ遅れていた私はやばいやばいと非常に焦りましたが、隣のねこさんと同じコロニーで良かったと心から想いました。ありがとうございました。
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