海坊主

みんなでクリスマスパーティをやっているところに光はサプライズでプレゼントを持って行こうとしていた。 友人に乗せられて思わず買ってしまったサンタのコスプレを着て。 そろそろ盛り上がってきた頃だろうか。 守の部屋からは明るい笑い声が絶えず聞こえてくる。とても暖かそうだ。 しかし光がいた廊下は冷えていた。 季節はクリスマス。つまり冬。 袖がないこの服では体が冷える。 光は寒さに思わずくしゅんっ!と盛大にクシャミをし、巻いていたマフラーを口元まで引き上げた。 不意に部屋の扉が開いた。 光は咄嗟に隠れるところを探すが生憎にもここは廊下。隠れるところはなかった。 部屋から出てきたのは弟の友人の碧くん。 トイレに行くのか廊下の冷気に体を震わせこちらに歩いてきた。 「え…?光?」 見つかってしまった。 羞恥に頬を赤くし、頭を抱えたくなる。 一方の碧は突然の光の格好に目を見開いている。 「────っ!!」 恥ずかしさで悶えそうなのを堪え、口を開いた碧にシーっと黙るように言う。 「これサプライズだから内緒にしてね?」 碧はコクコクと頷いた。

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