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聖夜の忘れ形見
美森 萠
2014/12/30 10:56
時は大正、激動の時代。昨今話題のドラマのヒロイン達は、生涯の仕事を得、自由恋愛を貫き、自分の思うように人生を謳歌しているように描かれていますが、実際このような人生を送った女性たちは極々一部。 この作品のヒロイン・小夜のように、親に言われるまま学校に進み、親の決めた人と結婚をし、逆らうことなく、自分の本心を明かすこともなく一生を終える女性がほとんどであったでしょう。 しかし小夜は、親が決めた相手と激しい恋に落ちた。 奥ゆかしい小夜も、日本男児たる虎太郎もその想いを直接口にすることはありませんが、瑞希さんの文章から二人の熱情は読み手である私たちにも伝わってきます。 これまで親の言いなりになってきた小夜ですが、裏を返せばそれは親の庇護の下守られて育ってきたということ。 彼女の選択は、これまで守られて生きてきた彼女にとって辛いこともあるだろうと思いますが、それでも虎太郎から贈られた宝物と共に、幸せになって欲しい。そう思いました。 最後に。 瑞希ちゃん、作品を仕上げるためにぎりぎりまで頑張ってくれてありがとう。 ここまで時代背景を調べ上げ、今までと違う文体で書き上げることは本当に大変だったと思います。 初めてのチャレンジの場にこのイベントを選んでくださったこと、諦めずに参加してくださったこと、心より感謝いたします。 力作をありがとうございました。
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美森 萠