白羽莉子

「ついおくのはな」 咲いた日はきっと雨だった 顔を覗かせたその日 微笑んで雨を浴びた 赤いてんとう虫握って つまれた体をゆらす 握られて水がなくて それでも息を吸って 日が差す場所を探した 叫べなかった言葉を 後になって叫んでみた みっともない顔して みっともなく声枯らして みっともなくて かっこつかなくて ぼくは一輪の紫苑を握った

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