ティーパーティー、そして殺人と悪夢。  ルイス・キャロルの名作に着想を得たと言われる、メタフィクション・ミステリーの傑作、中井英夫『虚無への供物』が愛読書の私にとって、今作の見事なトリックと秘められし憎悪のベクトルは「参った!」と叫んでしまいました。  伏線の張り方(全く無関係に思われたファクターが、徐々に集約して行く)というミステリーのセオリーをしっかりと守った上に、実際の医療知識(悪用しちゃダメ(^_^;)による単純かつ効果的なトリックには舌を巻きます。  考えてみますと、作品を生み出すという立場の者たちのみによって構成された今作品自体が、読者をもてなす(そう、まるでお茶会の如く)極上の舞台立てであることを知って「流石だな」と嬉しくなってしまうのです。  鮎川哲也先生の作品にも通じる、ソリッドな味わいがミステリーファン以外にもオススメ出来る内容となっています。  GOOD!
・1件
ミステリーに造詣の深い熊川さんから高レビューいただけて恐縮です。ありがとうございます。 書きながら(削りながら)「ここは残そう」と思った部分が奇跡的につながったかんじです。去年「5000字」のイベント参加して少し短編頑張って書こうと思いました。削ってるうちに実力以上のものができ(た気がす)るか空中分解するかどちらかです(笑)
1件

/1ページ

1件