あじたま

なんだか息苦しいから 外してみたはいいが どうしてか通りすがりの人に 忌避するような目で見られてしまう まだ何かあるはずだって まだやれるはずだって 言い聞かせて やってきたけれど 結局 辿り着いたのは 吹き溜まりに似た底なしの穴 金にならなきゃ意味がない 生きていかなきゃ意味がない どうせ持つべき才能なら もっと役に立つものがって 何のために付けよう 誰がために付けよう 愛か使命か命令か そのどれももはやどこにもないのに 何のために付けていよう 誰がために付けていよう もはやタグのようにも見えてしまった そんな夏の日 あの頃何を思っただろう あの頃何を描いただろう あの頃に憧れられるような 大人に果たしてなれるだろうか 必要とする人はいなくて 手を差し伸べる人もいなくて 年を取るごとにリスクは増えて もう嫌になっちゃうね 何もかも滅茶苦茶にしたくなる そんな夏の日 何のために付けていよう 誰がために付けていよう 扇風機が回っていた 西瓜を切る包丁の音 何のために付けていよう 誰がために付けていよう 扇風機が回っている 誰がために回っている 何のために付けていたって 誰がために付けていたって 結局最後は等しい終わり 美しいモノを 追いかけても 手をかけるのは自分だって 終わらせるのは自分だって さぁ締めるために付けていよう 望むゴールはすぐそこだ そんな夏の日 そんな夏の日だった 「ネクタイ」

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