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あじたま
あじたま
2015/6/1 0:15
刺すような雨の中を 傘もささずに歩いた 見上げた灰色の空に 鬱蒼としたビルの表情 言い訳を並べることに 慣れてしまった僕達の 正当防衛という名の正当化は 今日も続いていく 傷と奪い合いのない世界に憧れたって 決して届くはずもない 身代わりとして選んだモノ 今日までの自分を守るためのモノ 右から左へと逸れて行く 案外世界は単純に出来ていて しかし複雑に産まれすぎた傀儡は 器用に傷つくしかないのさ 何かのために歩いてきた 幾つも犠牲を払っても その先にある何かのためと 宗教じみた強欲の眼 しかし僕らは正気でいる 心のどこかでわかっている どうせ最後は等しい終わり 美しいモノばかり追いかけたまま 大切といえる何かのために 大切だった何かを捨てる 不安だらけの世界を塗り替えたくて 虚しくてものさばるしかない トカゲのように自分を繕う 怯えのない明日を夢見て 虚構の空を睨んだ双眸 そうして手にしたモノは しかし僕等は正気でいて 怯えるばかりの明日に 希望を無理矢理でも作って それに少しでも憧れられたなら 今も素晴らしいモノでしょうか? 大切といえる何かのために 大切だった何かを捨てられる トカゲのように自分を繕い 怯えのない明日を夢見て 虚構の空を睨んだ双眸 そうして手にした今も尚 降りやまない雨の音 「リザードマン」
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