裏と表、虚像と実像、バーチャルとリアル。  相反する二人の彼……ユウ君とユウスケの間で揺れ動くヒロイン・ハナさんの物語は、読者にとって「背徳感とシンパシー」という両面を見させてくれる存在だと思います。  オンラインゲームやインターネットのSNSサイトなどで、新しい形の男女の出会いが生まれる昨今ですが、考えてみれば昔から文通(ペンフレンド)や写真だけのお見合いが発端となって、現実(リアル)では知ることのなかったパートナーと巡り会うというケースはあり、普遍的な感情移入の出来る舞台設定に引き込まれながら、ずっと楽しませてもらいました。  夏のアフファルトが焼けるような、汗ばむ季節に出会った彼ら・彼女らは、オンラインの中ではそれぞれ《認証された名前》を与えられており、その後実際に会ったことで、関係をより密にしていくのです。 【OHANA】やユウ君、シーちゃんやセロンが、それぞれネット上で表示される際に【記号】によって挟まれたユーザーネーム表記(既に似た名前は、先に登録したユーザーが使っている)になっていたことに気付いた時「巧いな!」と喝采を上げたものです。 ……他の誰でもない、一人ひとりが生きている恋や友情、出会いと別れ。   登場人物が生きて、物語を動かしているラブストーリーであり、そこには理屈だけでは割り切れない(本来なら「裏切りの恋」=「裏恋」であるはずのハナさんの行動が、むしろ切なさすら感じられるのです)リアルな感情のぶつかり合いがありました。  ラストシーンのオンライン上の会話(ここでは書けません。是非本編をお読みになって、余韻に浸って下さい)が、その前のユウ君に対するハナのリアクションと、シンメトリーになっているのも大きなポイントです。  追伸;私はツバキさんのキャラクターが非常に大好きになりました!  素敵な物語をありがとうございました!!
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素敵なレビューありがとうございます! そうです、裏恋は裏側ともう一つ、裏切りという意味もあって、それは出さなかったのですが読み取ってくださりとても嬉しく思ってます! ツバキさんは私も大好きなキャラでして(*´ω`*)嬉しいです! 長編にお付き合いくださりありがとうございました!
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 飴玉さん、ご丁寧なお返事をありがとうございます! 「裏」という言葉に秘められたダブル・トリプル・ミーニングに、思わず「ああ、そういうことなのか!」と(終盤あたりで)ハッと気付き、それだけにハナの心境がよりダイレクトに伝わりました。  やっぱり、わき役のキャラの味わいが良いですね。シーちゃんとセロンのカップルを同時並行的に読ませ、現実の(リアルでの)アドバイザー的存在・ツバキさんの人間的な優しさと厳しさは、僕も思わず一献(笑)席を同じくしたい程でした。  オンライン上を超え出会い、終盤ではリアルの駅舎プラットホームの引き込み線(ライン)を挟んで向かい合う二人など、脳内で鮮やかに蘇るシーン
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