真(シン)

男臭く、短い文章だが闘いのロマンが詰まった秀作です。   拳闘は、当たり前だが拳ひとつで相手を倒す。それは古代ローマ時代から変わらない。 だが近年は拳闘とは呼ばず、ボクシングと名を変えた。 それは名前だけではなく、本来拳闘が持つファイティング・スピリットまで変えてしまった。 デビュー何戦目で、王座に輝いたとか、いわゆる商業ボクシングに凋落しつつある。 拳闘士には罪は無いが、悲しいかな。   拳闘を生で見られた方は分かるであろう。 会場に漂う松ヤニの香り、痩せ腕を振り回し、拳闘士と一体になる観客の声援。テレビで見ても、その場の熱き魂は伝わらない。   闘う者同士は、意地とプライドと、夢や過去を背負ってリングに立つ。 結果は全てではない。 崩れゆく顔面、滝のように流れる汗。 死と隣り合わせの、命を賭けた闘いだからこそ、見る者に何かが伝わってくる。   そこにベルトが無くとも、熱い感動が全身を包んでくれる。 『ベルトより重いもの』 それは、男たちの生きざまそのものだ!!
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熱いレビューありがとうございます! この「ベルトより重いもの」を書いたのはもう十年くらい前ですが、書いた切っ掛けは良く覚えています。 確かナジーム・ハメド(超変則ファイター)がマルコ・アントニオ・バレラの芸術的なボクシングに完封された時のことです。 この試合が実はノンタイトル戦でした。 それまでも大物同士の対戦(ビッグマッチ)がノンタイトルで行われる事は、重量級ではしばしば有ったのですが、この試合あたりを境目にして、軽中量級にもこの流れが出てきました。 つまり、人気・実力ともに認められた者同士の対戦ならベルトの有無はさして需要ではなく、誰と誰が戦うかが重要で、その組み合わせ次第でノンタ
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