たすう存在

ただの拙い感想ですが述べさせていただきますね。 「蝸牛は夢を見る」 この作品は詩のようにも読めますね。 蝸牛の少年少女が将来を夢見るという、ファンタジックかつ可愛いお話のはずなのに、この如何ともしがたい暗さはどうでしょう(笑) 雨降りの昏い背景とも相まって、当然のように将来の姿を選択できると信じている彼らが哀れであり、またグロテスクにすら感じてしまいました。 願わくば、せめて雨が降りやまないことを。 「小さな飛行機と航空障害灯」 個人的にはこれが一番難しかったです。 無理に寓話と解釈せずに、雰囲気を味わえば良いのかも知れません。 ちいさな飛行機=ちいさなむすこではないの?とか、ちいさなおじいさんが消えてしまいそうなのは、飛行機がちいさな光のところでのろのろしてるのとの因果関係はあるの?ないの?とか。 ですが、何年もの月日がすぎてのちいさな光と飛行機のやりとりは何故だかとても真に迫る感じがしましたし、最後の一行が飛行機の気持ちで締められていることでも不思議な余韻がありました。 「妻の手料理」 高級料理店のメニューブックを思わせるするビジュアルなのに、載っているのはとてもブラックなお話。 世にも奇妙な物語あたりで映像化してやって欲しいですね。 煩い物をゴミにしてゴミ箱に捨てた、ということでしょうか。 今後はたかしさんがせめてゴミ箱として大切にされることを願います。 「けっこん」 良い話ですね。 可愛らしいイラストが、関係性をビジュアルにもうったえかけてきて、とても面白い表現だと思いました。 寓話が寓話に留まらず、本当にそのまま人間に当て嵌まりそうですが、現実はそう何度も試せないのが辛いところですね(笑) けっきょく単色であることがベストなんだという結論でなくて良かったです。 「信号」 単純な擬人化に留まらず、その性質を存分に生かした、とても上手いお話ですね。 赤信号の時、彼は何時も道路を挟んだ向かいにしかおらず、彼がこちらへと来るのは青信号の時だけなんですよね。 寓意を読み取ることは難しいのですが、オチがとても良くできていて唸らされます。 二枚目のイラストがまた暗い雰囲気ですね。 姉の一念は彼を傍に呼び寄せることには成功しそうですが…… 童話風のこれまたブラックなお話し。 面白かったです。
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丁寧にひとつひとつへのお話への感想レビュー…ありがとうございました!(*≧∀≦*)少しでも楽しんでいただけていたら嬉しいです(о´∀`о) 航空障害灯のお話ですが、おじいさんが小さくなっていくのは、単に歳をとって死に近付いていく…ということを書きたかったのです。最初はおじいさんが亡くなり、もう二人が話すこともなくなるラストも考えていたのですよね。 こういうものを書くのは初めてなのですが楽しく創作していますので、更新も頑張りたいと思います!

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