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幾多野 数多
幾多野 数多
2015/6/27 12:00
「百足の怪 終話」 さあ、いよいよだ。 改めて確認してみる。間違いない。 こいつはムカデだ、ムカデの兄貴だ。 ヤスデ先輩じゃねえ。 こうなりゃ人間らしく、危険なものは悪即斬。徹底抗戦だ。 全面戦争だ。総攻撃だ。 猛攻だ。 攻撃に全振りだ。極振りだ。 言葉が通じねえし、意思疎通の手段もねぇ。 だったら、一撃で仕留める。それしかない。 まず、俺は奴の涅槃スタイルを逆手に取る事にした。 雨ガッパを手に取るや、振り回す。バッサバッサと。 ビスケット・オリバみたいに。 振り落とされるムカデ。 表示される勝機の文字。 集まる視線。 怪訝な表情で訝しむガソリンスタンドスタッフ。 蛇行しながらこっちに向かって肉薄するムカデ! なんだよ、この動きは。マジキメェよ。 ホラーじゃねぇか。 幸いとして、バンコク仕込みのナックムエが炸裂して、事欠きを得た。 ムカデを一撃で仕留められたのは、あれが初めて。危ないところだったぜ。 日曜日のセルフにて、ムカデと死闘を繰り広げる三十代男性が居た。てゆーか僕だったが、それは僕じゃないと思いたい。
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