幾多圧軋

イベントへのご参加ありがとうございます。 今回は短編でのエントリーということで、吾妻さんの作品で拝読させていただいたものは中編が多かったのもあり、楽しみに参りました。 舞台となる時代の風俗や情景描写に力を入れているとのことでしたが、流石、その点は良く書けていると思います。 辮髪、鴉片といった、教科書の中に書いてある単語としてのみ頭に入っていたものが、当時の人々にはもっとリアルな物として関わっていたのだな、と感じました。
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幾多圧軋さん 拙作「烟気(けむり)」へのご高覧及びレビューどうもありがとうございます。 辮髪は当時の男性の一般的な髪型でして、1930年代には既に古風なものにはなっていましたが、ここでは昔ながらの暮らしをする父親を象徴する装いとして出しました。 鴉片は当時の風俗であると同時に、因襲の中に息絶えていく父親を表象する小道具でもあります(実際、この時代の中国は鴉片中毒者が大量にいました)。 むろん、洋行から帰ってきた兄や夫の洋装や煙草と対照させてもいます。 ヒロインは旧式の旗袍(チャイナドレス)から撮影用のウェディングドレスを経て、新式の旗袍を纏う身の上になりますが、しかし、彼女の実質的な
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