吾妻栄子

「妄想旅行大賞」受賞作とのことで拝読しました。 南米に無知な私にも分かりやすく魅力の伝わる描き方に惹き込まれました。 また、神秘的な遺跡ばかりでなく、高山病で動けなくなった「私」の描写など、高地を旅行する際の現実的な危険が明確に描かれている点が興味深かったです。 幻想的な光景が高山病が見せた幻覚なのか、それともガイドの語る怪奇なのか、判然としない描き方も良かったです。 細かい点になりますが、ガイドさんのネイティブでない日本語が全てカタカナ(外国人の話すたどたどしい日本語のステレオタイプな表現)ではなく、飽くまでカタカナ混じりに表記されている点も、リアルな口調が浮かび上がる感じで良かったです。 実際に現地に行かれたレポートも是非とも読んでみたいです。
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