【コメント】

今度こそ愛します

相手を「好き」になることはできても、「愛する」ことはできない男の子。その彼と女の子の擦れ違いを描いた短編です。彼の同性の友達が全体を客観視する役割を果たしています。ただ、個人的にこの男主人公は感情やその表現が淡白なだけなのであって、彼女を愛していないのではないようにも読めました。むしろ、彼なりに愛しているのに、相手の彼女にはその淡白さが飽き足らなかっただけではないか、と。どうも、相手の彼女ばかりでなく、同性の友人までもが、「お前は愛することが分からない」と男主人公を断罪している描写に読者として違和感を覚えてしまいました。シリーズの他の作品は、相手の彼女や友人の視点で同じ出来事を再構成したものです。

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