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櫻ぱんだ
櫻ぱんだ
2015/9/22 22:24
③ 「…そうか」 俺の決別の答えに 一瞬悲しそうに眉根を寄せて 「残念だけど それがベストだと思う 彼女を割り出そうと ネットでは躍起になってるし 実際かなり近いとこまで来てる すぐに特定されて 個人情報バラ蒔かれるのは 時間の問題…彼女に連絡は?」 「これから電話する 謝ってもう会えないって言う」 「…その時に伝えて 彼女が個人的にやってる SNSを直ぐに封鎖してって それから辛いだろうけど 友達の1人として発表するのは 貴女に危害が及ばない為に どうしても必要な事だから 本当に申し訳ないって」 「うん…伝える」 スマホを手に ノロノロと立ち上がる 電話するのは 静かで1人になれるとこが良い 「青海さん この部屋出てすぐ右の部屋 ここより小さくて 機密性高い造りになってる 今 誰もいないと思う」 「分かった」 俺の内心を 誰よりも分かってる彼は 的確に指示をして 「行ってくる」 閉じる瞬間ドアの隙間に 彼の泣きそうな顔が見えた 『あんたも辛いと思うけど ある意味祥さんの方が 俺は辛いと思うのよ』 彼女と暫く電話で話をして 戻ってきた俺の顔を見て 彼は全て悟ったのか もう何もその事に触れなかった 「明日は早朝出発だから 皆体調整えて早く休んで 現地はやっぱり ここより寒いみたいだよ 着るものは気をつけてね」 相変わらずきめ細かい 母ちゃんみたいな 心配までしてくる彼 「了~解」 「母さんの言う通りにします」 「誰がお母さんですか;」 「祥ちゃん以外に誰がいるの」 落ちてる俺を 励ますような明るさで 振る舞うメンバーにも 涙が出そうになった 「青海さんは マネが待ってるから そのまま帰って」 「あぁ」 「じゃお疲れ! 明日から頑張ろう!!」 爽やかな笑顔で 会議室を出ていく 後ろ姿を見送って ふぅーと息を吐いたら 仁野が傍にいた 「祥さん言ってましたよ 『二度と会わない』って マスコミに発表すれば 少なくとも彼女は守れる 青海さんの男としての評価は かなり下がるだろうけど それは俺たちのこれからで 分かって貰えるよう 皆で頑張れば良いから 今はこれがベストだって」 「分かってる」 「あの人俺たちには 帰ってって言っときながら 自分は帰る気無いからね; 上に話しに行くだろうし 今後のマスコミ対応や コンサートの警備とか その他諸々重役レベルで 話し合いに参加してくるよね」 「そうだろうな」 .
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