藤白 圭

よくある殺し合いゲーム系のホラーではなく、「『復讐』とは『負の連鎖』」という深い一本の軸に、舞台設定の謎、登場人物の謎、そして、ある言葉の謎。 謎、謎、謎で包み込む事によって、ホラーサスペンスという分野が確立した作品だと思いました。 文章力もテンポも巧い。 構成力も伏線回収もきちんとしてあって、面白かったです。 ただ、『猫が蘇った』という意味深な言葉。 最終的に明かされる答えは、納得と言えば納得ではあるのですが、『猫が満腹狩り』をするのと、この物語の登場人物全員が同じように『いたぶるためだけに犯罪を犯していたのか』と言われると、理由としては弱いかと。 その点は、くさびがしっかりと物語っているところでもあり、矛盾してしまうのです。 (くさびに関しては、『自分の崇高なる理想』を元に、それに反する者を消すという『目的意識』が存在しており、それはこの施設に入る前に犯した罪も同じような目的意識によっての行動だったと感じられます) また、この『学校』が未成年犯罪更生施設的なものであれば、男性生徒に先生が『仕掛け』をし、過去の犯罪を呼び覚まし、殺人連鎖を引き起こさせるといったものは面白いのですが、どうせなら、過去の犯罪と連動させ、死に至る生徒への『贖罪』も感じさせたり、逆に、各個人の残虐性を露わにさせると、さらに『人間的な厭らしさ』が浮き彫りになって良かったように思います。 最終的な目的である復讐が果たされなかった部分は、少々後味が悪いようにも思いましたが、『復讐の連鎖』を止め、亡くなった人間の本意ではない復讐であったという事に気が付いたという部分では納得です。 しかし、最後の結末部分。 そこまでにいく過程があまりに凄惨であった為、結末だけがホラーとはかけ離れた恋愛小説のワンシーンのような感じで、浮いているのが気になりました。 先生が他人名義の戸籍を買い取ったとして、国の司法管理の元での施設が、それを審査しきれなかったといえば、そうではないと思います。 この施設が未成年犯罪者に対する更生施設ではなく、研究施設と考えれば……。 彼も実はこの研究に利用されており、今回の施設での事件は世間には公表されず、今後も………といったオチの方がしっくりくるのでは?と思ったりもしました。 長々と書かせて頂きましたが、面白く読まさせて頂きました。 素敵な作品をありがとうございました。
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ぎゃーなんて素敵なレビューを!! 快紗瑠さんありがとうございます…… 昨日は寝オチしてて、その前のコメントにレスをつけられずすみません。 なんかもうレビューの全てが正しいです。 やはり、書き手は書き手であるがゆえに盲目的になっているのだと実感させられました。 (いや私の場合だけかもですが……) 『猫が蘇った』について、本当にその通りですね。 くさびなどの行動もひっくるめて言うのならば、牧野がそれについても何か言及するべきだったのかも。 たとえば「いたぶるためだけに」を「自己満足のためにor己の目的のために」みたいに意味を拡大するとか……。 説明的になりすぎる場合は、地の文で主人公の独白に収
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こんばんは。 とんでもない! わたくしなんぞが、メガネさんに色々注文をつけてしまって、大変おこがましいのですが、こうやって謙虚かつ真摯に受け止めてくださるお人柄を見ましても、今後、大きく活躍される方なのだろうと確信しております。 丁寧なお返事に、こちらこそ感謝致します。 P.S 恋愛要素に関しましては……成る程。そーいう理由があったのか……と、納得致しました。
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