藤白 圭

 冒頭から怪しさ満点ではありますが、正直、読み始めの印象は、「あぁ。小説や映画で既に王道となっているデスゲーム系かぁ……」という印象でしたが、いやいやいや。  これが「先入観」のいけないところでした。  読めば読む程、人の嫌な部分を浮き彫りにさせ、殺し合うデスゲームの中にある、謎と違和感。  それを最後の最後で解き明かされた時には「ああ。仕組まれたゲームではなく、自分達の《心》の弱さが巻き起こした惨事だったのだ」と、こちらがヤラレた!!と思いました。  作者様は人の欲をテーマと仰られていましたが、最後の最後での主人公を見ると……人の「弱さ」をテーマにしているようにも感じました。  深いテーマ性のあるバイオレンスサスペンス。  楽しまさせて頂きました。
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