岡田朔

(応援) 『恋愛小説、特に短編に於いてベタは正義か否か』 なぜこのような話をレビューに書くかというと、作者があとがきにベタで捻りがないと書いてあったから。 ベタ、つまりよくある展開と言うのは、「有りがち」とか「つまらない」と捉えられがちです。 特に小説を書く側の立場からすると、何か特別な設定や事象を用意をしなくてはオリジナリティがないのではと思ってしまったりするものです。 でも、実際どうなのでしょう。 出会ったのが王子様だったとかなどのシンデレラストーリーは別として、読者が求めるのは実際に手が届きそうでなかなかない話なのではないかと思います。 となると必要になってくるのは、登場人物や設定はリアリティを持ちながらも起こる事象はロマンティックであることなのではないでしょうか。 大切なのは誰だってシンデレラになりえるということなのです。 そう言った意味で、この「クリスマス・シフト」は作者の持ち味でもある等身大の女性がありふれた日常の中で小さな幸せを手にするこのお話だし、確かに物語の流れとしてはベタかもしれません。 でも、ちょっとしたしぐさで感情を表したり、心を浮き沈みさせる会話、小技の効いた演出など、日常の中の一日であり特別な一日であることがとても上手く描かれているのです。 だからこそ、読者はドキドキしたり、ときめいたり、ワクワクしたり、そわそわしたりヒロインと一緒に恋を楽しめるのです。 ありふれた話であるほど、上手く描かれなければ途中で読むのが苦痛になります。つまり恋愛小説の短編は、奇を衒うことが出来ない分だけ、作者のセンスや技量が問われるということです。 そういった中で、もう一度読みたいな、ときめく感情に浸りたいなと思わせる作者は、やっぱりオフィスラブの名手と言わざるを得ません。 ということで、『桐嶋ハトメ作品に於いて、ベタは正義である』と結論づけたいと思います。 …とまあそういう小難しい話は置いておいたとしても、この統括担当社員にはすっかりやられました。 ほら、かっこつける男の人ってかっこ悪いじゃないですか。有名店のフルコースディナーを予約しておいたんだよと高級車で現れたりなんかされると私はちょっと興ざめ。 でも、多分一度きりの幸せなクリスマスを用意してくれた彼はめっちゃ素敵です。外出先であったにも関わらず私をニヤニヤさせた責任は大きいと…… あ、文字数が足りない!
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さくにゃあ、もったいないレビューありがとう!ていうか、本編より素晴らしいレビュー書かないでくださる!?(-_-#) うそうそ、すごく嬉しいです。 読む人と一緒にドキドキできる作品が目下の目標なので、そう言ってもらえて嬉しい(*^^*) しかも(応援)がついてる…重ね重ねありがとう!
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