鷹浜仁流

金縛りについての説明  睡眠麻痺は異常な状態ではあるが、決して珍しいものではない。この症状は古くから知られ、金縛りと言われる。この麻痺は睡眠と覚醒の交代期に起こり、眠りに陥るときに起こるものを“入眠時マヒ”、目覚めるときに起きるものを“出眠時マヒ”と呼ぶ。特徴を以下に述べよう。 a.. いずれの場合も、本人は自分の状態を明確に認識している。ただし、自分の意思で体を動かすことはできず、しゃべることもできない。 b.. 麻痺状態は数秒から数分間続き、体のどこかの筋肉を動かすか、他人に体を触れられるかをキッカケとして突然にこの麻痺は消える。 c.. 睡眠麻痺はしばしば不安や恐れの感情を引き起こし、頻脈(心臓の鼓動が速くなる)や呼吸困難、胸の圧迫感などの肉体的症状を伴う。 d.. 足音や重い物体を引きずる音、ブンブンとかビーという音、何かが鳴る音や声といった幻聴を伴ったり、幽霊や人間や悪魔などのリアルな幻覚を見ることも少なくない。  興味深いのは、これらの幻聴や幻覚は現実の室内の状況にオーバーラップして起こることだ。そのため、当人は幻覚と現実を混同し、すべてを実際に起こったことだと認識する。 睡眠麻痺状態での目覚めは呼吸亢進や胸部の圧迫感・重圧感を引き起こす。脳に送られる酸素量が減り、脳は酸素不足となって聴覚が過敏となる。ゆえに、現実のかすかな物音でさえ奇妙な足音や息づかいや声などの幻聴となって聞こえるのだ。 小説の中の金縛りと一致していると思います。
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