つばさ

クリスマスイブの一日、デパートの食品売り場はてんてこ舞い。 そんな一日の締めくくりに考えるのは、イブに彼氏がいない自分の寂しさではなく、来年から就活が始まってここでのバイトも減って、やがて卒業したらこの職場とも卒業。 それはずっと好きだったあの人とのお別れを意味する…。 忙しさの中で感じる寂しさを心に秘めて、大好きな人の一挙手一投足に心を揺らせる真面目な女子大生莉花とその想い人松浦さんとのイブの一夜を描いた素敵な恋物語。 作者さんが経験ありということで、デパートの雰囲気ものすごくリアリティがあります。 自然閉店という言葉、なるほどと思いました。 13ページという短い枚数の中で、過不足なく見事にまとめ上げています。 登場人物が少ない分、些細なやりとりで莉花の心の揺れを的確に表現されています。 そして、おまけの舞台裏でこの物語の一方の主役松浦さんの心情がよく分かり、 読者にもっと知りたいという欲求不満状態を与えない構成もいいですね。 舞台裏で分かる二人を応援する売り場のおせっかいな面々の優しさ。 こういう温かい演出はいいですね。 なによりも秀逸なのはタイトル。 『クリスマス・シフト』 このシフトにすべてが込められている。 それは、彼からの最高のクリスマスプレゼント。 イブの一日のほんの数時間の出来事を何気ない日常から素敵な恋物語に変えるクリスマス・シフト。 クリスマスに起きる奇跡ではなくて、好きな人への真心のプレゼントが伝える想い。 そんな温かい一夜を味わえる小さな恋の物語。 このシーズンにぴったりの素敵な作品です。
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つばささん、こんにちは。 『クリスマス・シフト』へ、もったいなすぎるレビューをいただきありがとうございます。 短編は苦手な上、少しいつもと違う雰囲気の作品にしようと試みたので、面白さやバランスなど不安に思って公開したのですが、嬉しいお言葉をいただき安心しました(電車の中で読みながら嬉しくて顔がニヤニヤしました…笑) すごく本格的なレビューをいただけて、これからの励みになります! よろしければまた遊びにいらして下さい~(*^^*)

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