神楽 佐官

 お姉さんが年下の男の子に物語を読み聞かせているような小説でした。  ホラー小説なんですけど、他のエブリスタのホラー小説にはあるはずの『悪意』が存在しない。  ふつうは『妬み』とか『嫉妬』とか『色欲』などが、ホラー小説にはある。  でも、この小説にはそういったものが存在しない。  あと、この小説にはある種の女臭さがない。 (プロフィールの画像から察するに作者は女性だと思いますが)  ホラーで怖い話ではあるんですけど、妙に透き通っている。硝子のようです。  物語のなかで無垢な男の子たちがきらきらと光り輝いているのです。  楽しい小説をありがとうございました。

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