えっとね、チキンくんに わたしのバージンを奪ってほしいの。 いま振り返って思い出してみると、 全てはその女の言葉から始まったのだ。 東京チキン38歳は、中国産のケンタッキーを食らい、自宅のベランダから空へと羽ばたけぬものかと、飛べない両腕に十羽分の手羽先をたずさえて地上8階の高さにあるその場所から身を乗り出してみる、すると程よい加減の地上から空へ逆巻く風に東京チキンは目を細めた。この瞬間、彼にとってベランダという場所は、天へと続く発陸所となったのである。木工ボンドで貼り付けた手羽先のひとつが白い液を垂らし、真っ直ぐと地面へと落ちた。 きっと、今なら飛べる。 ーーそう、彼にとってはそれほどあの太陽は身近で慣れ親しんだものだったはずだ。、つまり。 空へと翔ける天の道とは、 文章を極めると同義に変わりない。 他の作家からすれば違うのかも知れないが、まぁだいたい共通するところはあるであろう。 当のテトラポットという女も、文章修行の為に冬の太平洋に潜って良い文章が書きたい。と何度も呟きながら三十分間、酸素ボンベ無しに潜水を試み続ける益荒男だ。あの絶世の美女を自称するふざけた作者もそんなことをしているのだ。 ーーならば、どうして自分だけが その道を避けて通ることが出来るのであろうか。 女郎花、レイン、佐伯達男(明けましておめでとうございます。今年もどうかよろしくおねがいします!!)など、名のあるエブリスタ出身の作者たちはそうして自分のスタイルを確立して独立を果たしていったのではないだろうか。 ーーあぁ、きっとそうだ。 なら、飛ばなければならない。 あの空へと 第1章 東京チキンが、栄えあるエブリスタの特集の中に名を連ねたのは新年を越したばかりの申年だった。さっそく電子ラノベ型オンラインRPG、エブリゲートにアクセスしてみると、馴染みの居酒屋サクラソウにて、彼女は待ち構えていた。 「特集入りおめでとぉー!!」 あのふざけた女が、あの言葉を 東京チキンに言い放つまで、残り30分に 差し掛かったところだった。 つづく♂ エブリゲート外伝、木漏れ日の空より 読了ありです、本作は一般公開していません。 つづきを読みたい場合は、 東京チキン作、月の背中]に書評をお願いします。一日以内に送付させて頂きます。 どうかお願い申し上げますm(_ _)m 力のある作者に有名になってもらいたいのです。

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