つらつらするイベントより。クラブハウスです。  批評というよりは感想に類するレビューなので悪しからず。前口上はこのくらいで。  最後まで読みました。読後感はすっきりして良かったです。自分の形而下と形而上について考えるいい機会にもなりましたし、読んで良かったとは思いました。ただ、あまり続きが気にならないという感じですね。コメントまで侵食していいとおっしゃっていたのでいっぱい書きますね。  主題と主人公の設定、般若面ロッカーの存在、結末に関してはとてもよかったと思います。  まず第一に主人公の名前を覚えられないということに関して。名前を覚えられない、つまり主人公のクオリアでは形而下における他者が混然一体であるわけです。非常に分かりやすい。主題とマッチしている。名前って個人識別の為にある訳ですからね。それができない主人公はじゃあ、どうするのって話の展開になりやすい。  次、般若面ロッカー。こいつが物語のトリガーなわけですけど、主人公が他者を見分けるポイントである顔がこいつは隠されていて、こいつは外形を伴わない本質だけの存在なワケです。また物語中盤にまさにそうであることが明かされるワケですが。その存在自体が主人公の問題解決のヒントであるという。面白い存在。  結末に関しても、提起された主題に対する答えとしてある。これは大切なことですよ。物語には主人公が「何かをなす話」と「何かになる話」の二通りがありますが、「何かになる話」としてしっかり帰着している。ある経験を通じて主人公が学んだというのが明確で、読者の期待にしっかりと沿う。良い。  さてこっからはつっかえを感じたところ。  まずザクッと物語のあらすじをまとめると、自身のクオリア的問題(というよりは心理学的認知か?)を般若面ロッカーに提起された主人公が泣きホクロさんと自称エースの関係を見て、答えを見つけるって感じですかね。前述のとおり雰囲気はとてもいいと思いますし、提起された主題もとてもいいと思います。しかし、なんというか物語としてそれを造形していく上での組み上げ方が主題を明確化させてくれないですね。要するに作者さんが言った通り何を伝えたいのかイマイチピンと来ないです。
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 この明確化させてくれない原因。ものすごく簡単に言ってしまえばエンタメ的要素に著しく欠けるということだと思います。これのせいで続きが気にならないという感じになっていると感じました。エンタメって言っても可愛いキャラクターとかでお話をあざとくってことじゃないですよ。この作品の中で言うなら「深刻性」「主人公における体験」「主人公の変化」ですかね。  まず第一に「深刻性」。  先程、良いと言った部分でもあるんですけど、主人公の抱える問題として人の名前を覚えられないというモノがありますよね。これが主人公の解決するべき問題とまではならないんですよね。何故かというと主人公は他者の区別が顔によって容易にでき
 そして「主人公の変化」。  なにかになる話」としては変化が薄い。もっと主人公の変化していく様子を丁寧に書くべきであり、変化にもっと差をつけるべきと思います。最初から主人公が他者を観察したりしていうのですけど、そのことから他者に関心があると分かります。それが「関心を寄せることによって他者区別が始まる」という結末の弱さにつながっていると感じました。最初と最後で主人公の明確な変化が見られない、とでも言えばいいのかな? 分かりにくさ、に繋がっています。まあ、一人称で物語の背景を描写するとどうしても人に興味がある主人公と見えてしまうんですけど。こういう結末ありきだったのなら、あんまり背景描写するのは悪
コメントが2つ以上になると伺って、どの程度の長さでレビューが来られるのか、自分の中である程度見積もってはいました。ですが蓋を開けるとその2倍を超える量のコメントが来てビックリしているのと、ありがとうございますの気持ちが見事に合わさって一つのカフェオレ…… ごめんなさい。こちらもコメント2つ以上に及ぶ「つらつら返し」をしてみようかと思ったのですけど、そこまで器用な人間じゃなかったことに気が付いたので、手短なお礼だけでお許しください(笑) 指摘されたことを意識しながら改めて読み直すと「なるほど。確かにそうだ」と思わせられてばかりです。 昔、別の方にも「キャラクターが作者の言いたいことを伝える
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