紗綾

逃走 part・1  2016/2/14 ~フィリップside~ ピンポーン♪ お?早かったな。 そんなに早く俺に会いたかったのか……可愛い奴だな。 ガチャ。 「はぁはぁはぁ……。た、助けてくれ正貴!ちょっと邪魔するぜ」 「あ、おい亮!?一体どうしたんだそんなに慌てて」 「おれいまヤバい奴に負われて逃げてきたんだ。かくまってくれ」 なんだって? 「お前んちすぐそこじゃねーか!自分の家に帰れよ。これから人と会う約束してるから困るんだけど」 「俺んちがヤバイからわざわざここに逃走してきたんだろ?ほとぼりが冷めるまででいいから……」 なにやってんだコイツ。 もうすぐジョーが来るって言うのに……。 「アイツはきっとここまで俺を追って来るはずだ。しかしさすがに正貴の家まではわかるまい」 「アイツって誰だよ」 「あ?アイツか…俺のいとこの、本宮要だよ」 ~ジョーside~ 亮ちゃんの家になら言った事あるけど、フィリップ先輩の家にお邪魔するのって初めてでドキドキするなぁ……。 エントランスで部屋番号を押そうとしてた時、後ろから突然男の人が走り込んできた。 はぁはぁと息を弾ませている。 「はぁはぁはぁ……。亮のヤツ、チキショーゆるせねぇ…。ここに逃げ帰って来たって事はわかってるんだ……」 亮ちゃんの友達? あれ、そういえばどこかで会った事があるような、ないような? も、もしかして……。 「あの……もしかして、亮ちゃんのいとこの要くんじゃないですか?私……」 「あ?君ってまさか亮の………?」 私を眺め回すように見てきて、ふと私が大事に抱えてる紙袋をジーッと見てきた。
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