まさりみか

数年携帯小説を読み続けて来て思います。この物語は携帯小説の範疇を遥かに逸脱している。 そして個人的にものすごく面白いです。 更新中ですが、一通りのクライマックスは過ぎたのかなと判断しレビューさせて頂きます。 物語は一人の少女のありふれた死から始まります。 前半は彼女の死の謎について追い求めるストーリー。 それだけでも十分面白かったし一つの解決をみた気がしました。 しかし気になってたけど放置されてた部分が後半思わぬ展開をし、謎がグローバル化します。 一瞬、物語の質を変えるのかと杞憂しましたが、いらない心配でした。 グローバルと市井二つの局面からそれが交差し、ある意味ロマンも感じさせて、謎解きの方向は前半そのままの面白さと意外さ熱さを感じました。 今一つの段階を終え物語としては静けさを保っていますが、ある意味一番読みたい部分です。 岩崎警部じゃないけど、どこに落としどころを持って行くか……それが楽しみです。 個人的には「序」で私の中で始まった彼女の人生の彼女自身の結論をみたい。 そしてグローバルな結末もちょっと覗いてみたいかなと思います。 多くの人のロマンが一つの形になってほしいなあってこの世知辛い世の中で夢をみてしまいます。 子供の頃に読んだ冒険小説の大団円のように。 書き方も非常に好みです。 様々なものへの考察、社会の事象に切り込みながらその考えから個人の個性や生き様を浮き彫りにする、人物の掘り下げ方が私好みでまた非常に厚みを感じます。 個々はラノベ等のキャラ立ちのつけ方とは違い、どこでもいそうな平凡な人たちなのに、物事に立ち向かう姿勢、考え、行動、立ち居振る舞いがものすごく個性を感じさせ魅力的です。 物語の緩和も絶妙で何度もにんまりしたり声を出して笑ったり。 推理やミステリーっていうのは元々が胸糞の悪い話が多いものです。 この話も例にもれず、とびきり胸糞悪い現実あるにもかかわらず、心の熱さやすっきり感を感じるのは人物と人間関係がいいからでしょうね。 現実が酷いものであるバランスをとるためか、上司や同僚がとびきりにいい。 警察も官僚も政治家もリアルな感じでワクワクしながらこんな人たちだったらいいなあという一つの理想を読むことができます。 それがこの物語がいろんな人の痛みを内包しつつを楽しんで読める要因になっていると思います。 完結を楽しみにしています
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正直この物語が現在携帯小説を読んでる人達にウケるかは難しいかもしれません。 (このレビューも読んでもらうの難しそうな字数です笑) ですが、私はネットの小説にこういう物語が増えること、そしてそれを楽しんで読む人が増えることを願います。
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