加藤みゆき

誰にでも訪れる倦怠期。そんな話かと読み進めていきましたら、どうやら些細な夫婦ゲンカが原因なようで…… でも僕がどんなに謝っても、彼女の気持ちは晴れることはなく、意地をはってるのかなー、もどかしいなーと思いながら読み進めていけば、それも違うようです……。 作者さまお得意の論理で魅せるミステリー。 最初に抱く予想と違う展開に興味深くページをめくります。 えっ! と思うのは物語中盤。 同じ空間にいるはずのふたりなのに、触れあえない現実。 もしかして、もしかしてなの? と思いながら、でも僕が物を介して彼女に触れあえるという事象。 これは一体、どういうことなのでしょう。 テーマが『透明人間になったら』なので、答え合わせは無いまま物語は終わってしまうのですが、読者がイライラする前に読ませきる文章技量と、ふたりの間の抒情的な空気の表現力がすばらしいと思いました。 対になっている作品もあるみたいなので、そちらにも行きたいと思います。
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早速レビューにありがとうございますっ (*゜゜*) "これは一体、どういうことなのでしょう" ……ね。どういうことなのでしょうね……(笑) 書き終わってから気付いたのでは遅すぎるんですが、中身からっぽなんですよ…… 例えば、右手にペンを持っているのに、何か他の事に集中している間、ペンの存在を忘れてしまう。そこにあるのに見えていない、そんな経験を私はよくするんですが(笑) この二人は……すれ違いが重なって交わらなくなったあげくに、そこにいるのに見えなくなって。 鈍感な僕は透明になった事に気付かない。 淋しがり屋の君には、ただ淋しいというだけでは、僕の姿は見えないまま

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