こにし桂奈

前半は女性の第一人称で、目の前の男についての描写が長々と語られます。 公園のベンチに座ってタバコをふかす、名前もなにも知らない男。 でも気になる。 最初は憧れの人を観察しているほのぼのとしたストーリーのようにみえますが、後半ではガラリと様相を変えることで読み手に違和感を与え、最後にそれまで見えていたものが、想像とはまったく別物であったことに驚かされます。 語り手の正体と男の正体が明かされたとき、今度が読み手の私がタバコの男に魅了されてしまいました。 予想を裏切る展開で、大変に面白かったです。
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