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暗化月 卿
暗化月 卿
2016/4/12 23:01
/_news_view?cn=2489010
田宮はベンツのS600に乗ると、車を出した。 桜木は黒のホンダS660に乗って田宮を追った。 田宮はベンツを飛ばして駅前に停めた。 直ぐに車を下りると、桜木の視界から消えた。 桜木はホンダをベンツの後ろに停めると、目を閉じながら歩き出した。 田宮は複雑な道を遠回りして駅に向かった。だが、目の前にまるで先を読んでいたかのように目を閉じている桜木が現れた。いや、読んでいた。 桜木は目を開けると、レースガンを腰から抜き、田宮を撃つ。レースガンはマズルとコンペンセイターから緑色の発射炎を吹いた。 田宮は空中で弾を止め、次に桜木のレースガンに意識を移す。 レースガンを空気を使って空中分解させ、L.P.A.採用の銀薬莢のカドミウム弾を田宮は自分の方に運ばせ、ソーコムに装填した。 そして桜木の頭に銃を向ける。 「世の中変わらないな。マネー、バイオレンス、……」 「……撃てよ」 田宮は引き金を絞った。が、桜木はそれを予知して弾を避けた。 田宮のソーコムが緑色の発射炎を吹き、カドミウム弾は地面を跳弾した。 桜木は田宮に突っ込んで抑え込んだ。が、田宮が圧力を作って桜木を吹き飛ばした。 そして桜木周辺の酸素を削る。 桜木は息の出来ない空間の中、真っ直ぐ田宮を睨んだ。 「お前に恨みはない」 田宮はそう言って桜木を解放させると、ソーコムを懐のバーティカルホルスターに戻してベンツに戻った。
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