9℃

師である政任出奔直後の三位殿の話、大変面白く拝読しました。他の国香さんの作品でもそうですが、スケールの大きさに自分の視野が広がって行く心地よさを感じます。 また、本作品『秋の聲』では海の底にある他界を覗くような、その深さに身が沈み包みこまれるような感覚を覚えました。 なにより黎明期の日本についてどんな国であったのだろうと思っておりましたので、その描写にぞくぞくしました。 登場人物に姫姓の女性、怪しい縦目の阿闍梨の活躍に興奮しました。 大陸から日本に古くから伝わり強く根づいたのは神仙思想だったように思います。静謐で美しかった三位殿の死。秋声にまつわるビジョンを見ていた三位殿ならば、その死は美しいだけではなく琴によって昇仙したように思えてなりません。
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とても美しいレビューをありがとうございました。9℃さんが書いて下さった方が、美しい物語になるように思える、綺麗な文章のレビューで、感動しました。 三位殿をうまく活かしきれなかったのが、私の反省点ですが。三位殿は秋声を通して、昇仙していると良いですよね。三位殿は確かに俗世にありながら、神仙世界にいるような人でしたが、それゆえにこそ、作者としてはなかなか動かし難い人物だったのかもしれません。 姫姓、徐福、長江文明(縦目仮面)等、弥生人のルーツの候補とされるものを取り入れてストーリーを展開させてみました。紀元前の日本は本当に、いったいどんな世界だったのでしょうね? 最後までお付き合い
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気安くこぼれ話をとリクエストしましたが、すばらしい物語が読めて幸せです(´∀`)。執筆の間に抜歯まで……どうかお大事に。 三位殿は政争に巻き込まれなくても夭折していたような気がします。琴の神様に愛されたために……とか妄想が止まりませぬ。動よりも静の人物を描く方が難しいかと思います。国香さん書かれた三位殿が魅力的で大好きです。 大江匡房も怪しいですが法真阿闍梨には敵いますまい。 ありがとうございました。

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