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いい加減真面目に脇役のままがよかったの書籍化を目指したいと思います  空は生命の象徴だ。  生命の母と呼ばれる海だって空の色をもらっているし、俺たち人間が生命活動を維持するのに必須な空気で出来ている。  それになにより。空には、生命の源とも言えるような不思議な力があるのではないか。  例えば、何かとても疲れる事があって、心の底から参ってしまっている時。ふと、顔をあげてみて、そこに実に晴れやかな、美しい青空が広がっていたら、どん底の気分でも何故かほっと安堵してしまう。そんな経験はなかっただろうか。  ぐだぐだと長くなってしまったが、俺が何を言いたいというと―― 「――――空のくそったれぇぇえええええッ!!」  空なんて、大嫌いだ。 「なんでフリーフォールしてるんだ俺は! なんで! フリーフォール! あっ叫んだら喉乾く!」  風に煽られてとんでもない顔のままですみません、皆さんこんにちわ。俺の名前は如月祐也。今日、県立月並高校に入学したばかりのぴちぴちの十五歳男子高校生だ。  黒髪黒目で容姿平凡。得意科目は国語の成績平凡。運動神経……は、ちょっと自信あるが、群を抜いてというほどではない。せいぜい体育祭で一目置かれる、そんな程度だ。  そんな、どこにでもいるような俺、如月祐也は、ただいま絶賛フリーフォール中だ。 「どうしてこうなった!?」  ヘッドダウンの姿勢で頭を抱え、こうなった原因を探る。  そう、あれはつい数分前のこと――
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