鳥越 暁

 歴史好きな者として、この作品を目にした時、軽快なテンポに驚きと嫉妬を覚えた。どうしても後世の私達は必要以上に戦国の世の「家」を中心に人物を描く。だが、この作品は禿と呼ばれる主人ときっと美しいであろう女武将の掛け合いを中心に描かれている。その掛け合いが見事なのである。  素晴らしいのはテンポだけではない。主要人物の切り捨ても、思い切って行う潔さ。誰もが知っている人物が会話の中だけで討ち死にする。その時、私は「もったいない」と叫んでいた。きっと、著者はどんな偉人であろうが、脇役であれば脇役のままで、ということなのかもしれない。  今現在、この作品は連載中である。消えた幾人かの人物に代わり、新たな人物達が登場するに違いない。それが楽しみだ。  
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鳥越さん、おはようございます。 昨夜は素敵なレヴューを有難う御座います。 私も歴史ものは好きなのですが、鳥越さんほど深くは無いのでそう言って頂いて嬉しいです。 貴作『秀吉の遺言』は、仮想記であり、世界を違和感なく作っていくのは大変だとは思いますが、そこを感じさせない鳥越さんの構成に感服しております。 私の作品は、史実の中に架空の人物を当てはめているだけなので、世界観を作ったりするという一番難しい作業が無い分、良かったと思っています。 もう少しで、拙作も終了ですが、懲りずに最後までお付き合い頂ければ光栄です。 有難う御座います。 新田 遼 拝
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