鳥越 暁

書評「天才」石原慎太郎著  私は石原慎太郎が好きでも嫌いでもない。ましてや彼の著作を読んだこともない。そんな私がこの本を手にしたのは「たまにはベストセラーでも読んでみるか」と言う軽い気持ちからだ。  ストーリーは田中角栄目線で、幼少時代から紡がれていく。読みやすい字の大きさや表現ですらすらと進む。角栄の生い立ち、考え方の根底を成すものが理解できる気がする。  読後の感想としては「やはり、角栄は天才だな」ということだ。角栄評については、ここで論じるつもりはない。  残念なのは、もっと踏み込んで欲しかった。著者であれば、もっと彼にしか知らない、彼にしか表現のできない角栄像を描けたのではないかと思う。その点で、若干、消化不良のような後味が残った。  私の評価  ★★★☆☆

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