戸未来 辰彦

カウンセラーとセラピスト。 刺青師・伊織は、果たしてどちらに近いのか。 悩みを聞いて相談に乗る受動的なカウンセラーと 心理療法による治療まで行う能動的なセラピスト。 伊織は、依頼人の刺青に対する思いを汲み取り、一刺し一刺し体に絵を刻んでいく。 その動きは、やはりセラピストに近いだろう。 しかし恐ろしいことに、伊織のセラピーは刺青を描いたからと言って、必ずしも依頼人の悩みが解決するわけでも幸せになるわけでもない。 なぜなら、刺青を描くことで依頼人自身の心を満足させるだけでなく、本人の抱えている業まで清算してしまうのだから。 結果、依頼人は人生の清算へと導かれてしまう。 本作は、刺青師・伊織の天才的な腕を見込んで店を訪れるさまざまな依頼人を中心に描かれるシリーズ第一作目。 刺青を入れる本人の思いが強ければ強いほど、背負っている業が深ければ深いほど、伊織の腕が冴えわたる。
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戸未来さん。 こんなにも読みにくい作品を最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。 それだけでも小躍りするくらいに嬉しいというのに、まさかのレビューまで……。 セラピストとカウンセラー。 なるほど。 そういう捉え方として読むと、これまた面白い観点で刺青師を見ることが出来るなぁと、逆にこちらが唸らされました。 勉強になるレビュー。 感謝です! これを糧に続編もがんばります!
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