【コメント】

Ｅｐｉｓｏｄｅ Ⅰ．猫の知らせ

章によって語り手が変わっていく、ミステリー風ライトノベル。語り手が変わると、登場人物の印象がこれほど変わるのか、というのが目の当たりにできて、ひとりひとりの登場人物に、きっちりと背景が見える、キャラクター作りがとても優れた作品です。最初はコメディ語りのファンタジー作品かな、とも思いましたが、読み進めていくにつれて、なんと猟奇的な狂気をはらむ、また倒錯的な思考が交差していく、ミステリー仕立て。先の読めない展開に、夢中で読んでしまいました。本作は、シリーズのまだ一話目です。主要人物のルクス君＆クルス君の謎は、さっぱり明かされていませんが、ストーリーの面白さでぐいぐい読ませてくれる、作者さまの手腕に夢中になれること請け合い作品です。

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