戸未来 辰彦

フォロワー数。 SNS(ソーシャル・ネットワークキング・サービス)登録者のコミュニケーション力・影響力を 計る指標として、非常に重要視されるステータスである。 しかし、一方でフォロワー達が必ずしも本人の信奉者だけでは無く、個々人の様々な思惑で動く追跡者か、はたまた悪意を持った監視者の場合もあり得る。 本作は、そんなフォロワー数偏重のSNS世界を舞台に描かれる本格ホラー推理小説である。 『スカリム』と呼ばれるSNSで、ハイステータスを目指す主人公彗太。 しかし、スカリムに関連し女子高生達が次々と奇怪な死を遂げる事件が発生する。 主人公彗太はその謎を追跡するも、ついには幼ななじみ紗名が次のターゲットにされてしまう。 その後、オカルト研究会に所属するの在多と流星という仲間を得て、彗太は呪いの謎に立ち向かうことになる。 話の展開のキレが良く、素直に面白い。 物語は、謎に直面する彗太の視点を中心に描かれるが、主人公達を差し置くほど魅力的に描かれる在多と流星の名コンビによって事件は解決へと加速する。 作者のこの緻密な描き方を見て、私は京極夏彦のデビュー作である「姑獲鳥の夏」を思い起こす。 (こちらは、謎に振り回される関口巽の視点で物語は進行するも、解決するのは拝み屋の中禅寺秋彦。) 今後、在多・流星コンビの活躍するシリーズ化を是非期待したい。
1件・2件
戸未来さん レビューのお礼が遅くなりまして、申し訳ありません。 お読み頂いただけでなく、とても素敵なレビューをありがとうございました。 本当に主人公の影の薄い話でして(笑)、解決しているのはほとんど在多・流星ペアなんですよね。 主人公をフツーキャラにすることで、感情移入がしやすくなればいいなあと思ったのですが、実際お読み頂いたほとんどの方が在多か流星推しでして、良かったのか悪かったのかと言ったところです。 シリーズも書きたいような気がするのですが、色々な諸事情ありまして只今ストップ中なので、そのうちお届けできたらいいなと思います。
1件1件
岡田さん、おかえりなさいませ。 引き続き今後ともよろしくお願い致します。 戸未来 拝

/1ページ

1件