Satori

音楽一家に生まれ、年を重ねて抱くようになる「ピアノが好きじゃないのかもしれない」という疑念。そこからの気付きの物語なのですが、繊細さと豪快さが合わさった気持ちの良い作品でした。 谷君の描写はどれも映像的で魅力的でした。マッシュルーム、オブジェ、そして臨場感あるライブ。 彼のシンプルでロックな考えが気持ち良い。 衝撃的な事件も起きますが、閉じ込めていたものが全部放たれた、エピローグのピアノを弾くシーンがとても好きです。お題つきSSの作品だったということもすっかり忘れて、小説の世界にのめりこみました。
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