【コメント】

雑種化け物譚❖Czero ⁂表紙:香河様

これだけ長く、厚みのある話を不整合なく完結させるのは、並大抵の創造力では不可能でしょう。さりげなく伏線を引き、さりげなく回収していく様は読んでいて爽快でした。多くの個性的な登場人物それぞれの思惑が錯綜する中、一つの結末に向かって物語は動いていきました。過不足ない文章でまとめることのできる大川さんの力量がこの作品に凝縮されているように思いました。何と言っても、小説を書く上で欠かせない文章力を大川さんはお持ちだと思います。一文一文にこだわりが見られ、時にとても深い言葉が散りばめられていました。どうでも良い文章なら、軽く流してしまうか、読み飛ばしてしまい、記憶に残ることはありませんが、この作品はそうはなりませんでした。どの文も練られ、読み手を惹きつけ、軽く読み流すことを許してくれません。そして、深く読みこむだけの物語が入念に、緻密に紡がれているのです。これだけ重厚なファンタジーは珍しいように思いますが、敬遠せずに、多くの人に一度集中して読んでもらいたいお話ですね。きっとこの世界観にのめり込む人も少なからずいるはずです。

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長い間、じっくりとご閲覧いただき、真摯なレビューまで本当に有難うございます。自己満足の塊な拙作が、心ある読み手様に巡り会えた時、これ以上の幸せはありません。 C零CPRも含め、自分の文章についた妙な癖が、まさにピークな頃の作品で、決して読み易いとは言えない長編で……反省点だらけなのですが、未熟さ故の勢いもあり、何度か改稿を試みたのですが、かえってバランスが崩れるので断念してしまっています。この無機質な文体を、「練ったもの」として評価下さっている事が、本当有難いです。一見比喩など賑やかしも少ないですが、実際、公開前から凄く何度も改稿しています。地の文を豊かにする技術が乏しいのです

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