藤白 圭

「障がい」に向き合う、とても深いテーマを用いた作品。 これは、「普通」って何?と同じことが言えるんじゃなかろうか? 人と違うことをすると、「あいつはおかしい」「あいつは変人だ」と陰口をたたかれたり、遠巻きに見られたり。 人は自分と違うものを見ると、自分の価値観と違えば、すぐに「変」だと感じる。 障がいに対しても、そうなのではないのか? この作品を読んで、そんなことを思いました。 耳が聞こえない。 これは、耳が聞こえる我々にとっては障がいに感じるかもしれないが、耳が聞こえない人達にとっては、それが日常。 その世界しか知らなければ、それが「普通」であり、聞こえない中でも、彼らは上手く伝達手段を見つけ、上手に生活が出来るわけであり、決して「障がい」ではないのではなかろうか? 耳が聞こえない世界の中で、耳が聞こえる人が生まれれば、それは「変」なモノであり、その世界によって、「異端児」は異なる…… 立場が変われば、見方も変わる。 そう思えば、皆「普通」であり、皆「変わっている」わけだ。 要するに、ありのまま「受け入れる」ことの大切さを、この物語は訴えているのではないのだろうか?と、ちょっと哲学的に考えてしまいました。 深すぎるテーマ性のある物語なだけに、うまい言葉が見つかりませんでしたが、かなり考えさせられる作品。 とても興味深く読まさせて頂きました。
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いつも素敵なレビュー並びに難しいテーマを真剣に考えて頂きありがとうございます。 立場が変われば、見方が変わる。 そう思えば、皆「普通」であり、皆「変わっている」わけだ。 まさに、これを伝えたかったです。 障がい者の方に、「なるべく、同情しないでほしい。私も健常者と同じような生活ができているのに、可哀想だってなるのはおかしい」と言われたことがあるんです。 ずっと、この言葉が心に残っていて、今も考え続けている難題です。 このテーマはどう感じるか、どう考えるかが大事だと思います。 その中でも、「受け入れる」ということがとても大切だと思っています。 快紗瑠さんのレビューからはそれらが伝わって

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