清水 誉

夢を見た。 そこそこ高い崖から飛び降りる夢だ。 (そこそこだから、足が少し痛い位で怪我はしない) でもその崖には大量の蛹が付いていて、それらを潰さないように降りなければいけない。 どうしようか迷っていると、知り合いが崖の下から現れて、 「この蛹、食っちまえばいいんだよ」 とむしって繭を破った。 そいつの持つ蛹はもう成虫になってたから、 「なんだ、もうこいつはダメだ。食う前に成虫になっちまってた」 と手から飛ばしていた。 食えると言われて、旨そうにも見えてくる。 しかしたくさんの蛹の中から、つぶらな瞳が「俺たちを食うのか」と問いかける声がする。 食わないさ、と言葉にはするが、殺さないとは言っていない。 このまま降りるには、後少しで孵化する彼らを殺すことになる。 どうするべきか、崖下で微笑む友人がその行く末を見届ける。
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