赤羽道夫

女に不自由しないハーフのモテ男マイケルは、あまりにモテるために普通の性愛では満足できなくなっていたところ、会社でのストレスのため診療を受けた精神クリニックで倒錯の世界にはまり込んでいく……。 その過程でマイケルは気持ちが揺れ動き、異常な関係を疑問に感じつつも逃れられなくなっていくところは、読んでいてよかったと思いました。 官能小説ばりの描写で、「これで強制非表示になったりしないのかな」となどと余計な心配をしながら読み進んでいきました。 石田衣良さんは、こういうの、好きそうだな、と思いました。 SMやスカトロやホモの雑誌には、驚くような性愛が繰り広げられていますので、さらに過激さを求められるかもしれませんが、あまり度が過ぎると強制非表示になるかもしれず、むずかしいところですね。 それだけに、ラストが惜しいと感じました。 いくら変態とはいえ、やはり人間の変態の範囲内ですので、明らかになる鹿山の設定が唐突すぎる気がして、あの部分は蛇足だと思いました。 京都駅周辺の地理が詳しく描かれているのは、個人的には好きでした。面白く感じましたが、なぜ京都なのかの必然性があれば、ドラマとしてもっと良かったと思いました。
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