彩葉

もし、大切なひとを突然喪ってしまったら、かけるべき言葉をかけられないままだったら、どれだけの後悔をするのでしょうか。深い悲しみの中、何も考えられなくなってしまうかもしれません。 ありふれた日常を奪ってしまった突然の出来事。いつも当たり前のように隣にいた人が、ある日突然いなくなってしまった喪失感。それが導入部の回想によって、引き出されていきます。 幸せな日々を示す言葉が胸に突き刺さり、楔を打ち込んだように胸に留まり続けるのは、言葉の端々から伝わる悲しさが、温かな日々をより印象づけるせいでしょうか。 最後になるのなら伝えたかったメッセージがあまりにありふれていて、それなのに、伝えることを忘れてしまう言葉だから、なおさら言葉に重みがあるのかもしれませんね。 夜空を見上げれば無数に輝く星たちの中に、その姿を見つけることができたなら、その想いを伝えられたらいいなと思います。 今当たり前に傍にある存在も、当たり前に享受している幸せも、終わりを告げる日が来ることを忘れないように生きていかなければならないなあと考えさせられました。 いつも当たり前のようにあるからこそ、忘れてしまうことがある。誰の心にも起こりうることに気づかせてくれる作品です。 ステキな作品を読無ことができて、今回ご一緒できてよかったと心から思っております。 また落ち着きましたら、過去の女詩会の作品、読ませていただきますね。
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