弭田

花に囲まれて煙になる人に綺麗綺麗と皆で笑いぬ この句がすきです。わたしだったらこの句は終わりの声の章に入れてしまいそうなのですが、始まりの声のほうに分類されていて、その点に希望のようなものを感じます。 また、短歌の内容に関連性ないと仰いながらも、「声の箱」というタイトルを踏まえて始まりと終わりは箱についての句になっているなど、そういう部分にもセンスがちりばめられていて、すてきでした。 ひとつひとつが完全に独立した短歌ということで、とてもあっさりとした詩集だと思います。 ですが同時に、異なる切り口の短編小説を読んでいるかのように様々な視点からの「声」にまつわる一時を垣間見ることができて、とても充実した詩集だなあとも思います。 わたしのような欲張りさんにはなんともおいしい詩集です 笑 それから拝読していて思ったのですが、始まりと終わりって、春が出会いと別れの季節というのに似て紙一重の部分もあるんですかね。 花に囲まれて、の句もですがマタノオコシヲのところで終わってもまだ次があるんだなあという終わってしまうだけではないということに、繰り返しになりますが希望を感じます。 また、今回この詩集にご縁があったおかげで、改めて短歌の自由さ・可能性の大きさを感じることができました。 57577のリズムにおさめてしまうには惜しいのびのびと伝えたいこと、伝えたい情景を詠まれていて、わたしもまた短歌を書いてみたくなりました。 コツがあればまたご教授願いたいです。 レビューが遅くなってしまい申し訳ありません。 すてきな詩をありがとうございました!

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