夏月 海桜

出だしを読み始めて、物凄い勢いで嫌われる主役に、一体、彼は何をしたのか。どんな悪事を働いたのか。と、慄きながら読み進めました。読んでいるうちに、ふと、あ、これはもしかして、ヤツか?ヤツなのか?とその存在に思い当たる節が。読み進めていくと、やはりヤツ。それはそれは名前を出すのも嫌な存在のヤツ。私は、叫び声をあげないものの、見たが最後。速攻でシューッと吹きかけるあの存在。 そのヤツの視点で、こんなにもイキイキと文章で表現してくる筆者様の表現力は、何年も作品を拝読している私が見ても素晴らしい。と思うもの。 リンカーンの言葉を然りげ無く引用する、その知識の煌めきも感じさせながら、うまい小説に仕上がっています。 ヤツのしぶとさは、辟易しますが、もしかしたら、ヤツはこんなことを考えているのかな。なんて、うっかり同情しそうになりました。でも、ヤツは天敵です。 ニヤリとしてしまうそんな作品を拝見させて頂きました。
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