風間幻像

 お待たせしました! レビュー失礼します! ・良い点  題材がよかったです。不謹慎をお詫びしますが、語り手がこのような状態ですと、健常者から見て非日常的な世界です。不自由ない人の話よりも興味がわきます。  しっとりした表現もよかったです。書き出しは風情がありましたし、桜の広場の場面はとても美しく描かれていました。それに、事故で奪われたものが「安心感」という形のない概念というのも、真に迫ってる感じがして唸らせられました。  って今書いてて気付きましたが、この「安心感」、最後に取り戻してるんですね。一見、失明という悲惨な結末ですが、当人にとっては「失ったもの」を取り戻しているという……素晴らしい伏線回収です。見習わせていただきます。大きなものの犠牲と引き換えに、ささやかで大切な輝きを得る、というのは、個人的に大好きな展開でした。  コメントに続きます。
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・ムムムな点  細かいことですが、読点にした方がしっくりくる句点があったり、洋子さんの名前が途中で違ってしまうなど、ちょっとしたミスがあるようで、文の把握が一瞬遅れます。  内容について、一つ目の点は、目が見えないことの読み手への明かし方です。「私は見えない」だと説明っぽくなっちゃうので、「いつも通り見えない」ニュアンスの方が独り言っぽくてリアルだと思います。また、冒頭やラストでの見え具合はどの程度なのか、真っ暗なのかぼんやりなのか、もっと詳しく知りたいです。  二つ目は、会話文の調子です。国語の教科書的な形式っぽさが見えるので、もっと砕けちゃっていいと思います。一方で、現時点で目が見えない娘
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