赤羽道夫

ちょっと前までは、これで強制非表示になったのではないか、と思われるほどの過激な作品。 小説らしいフィクションな展開がよかったです。 日々、満たされぬ情欲をもてあましていたマダムのもとへ次々をやってくる男たち。 彼らはマダムと肉欲の関係を楽しむが、マダムもドライな関係を望み、男たちもそれを是とする――。 精神的なつながりは、心の傷を深くするばかりだという恐怖感によって、そんな態度ででてしまうマダムの弱さは、共感できるものがありました。 一方、男たちも、3人が3人とも、マダムをおもちゃにしか見ていない残酷さがでていて、よかったです。 ただ、淡々と進むエピソードのなかで、マダムのなかに劇的な変化がないのが物足りないところでした。読みすすむうちに、マダムはどうなっていくのだろうかと、読者はそこに期待しますので、たとえば、今まで気づかなかった新たな刺激に目覚めてしまい、それによって出会う男たちのとの対場がこれまでとは違ったりする、とか。
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