【コメント】

ユキとユウキの事件記録

シンプルな設定にシンプルな物語、そしてシンプルな謎。昨今の重厚長大になりがちなミステリにおいて、こういうシンプルな物語が書かれたというのは貴重だと思います。トリック自体は、少しミステリに擦れた人間にはすぐに察しが付いてしまいますが、だからこそ、ついついおざなりになりがちなロジックを丁寧に順序立て、きっちりと説明されると、本来はそこまでしないと解答ではないのかと、簡単にあのトリックだろう、などと考え、深く考えなかった自らの不明を恥じたくなってしまいます。読者に丁寧で、誠実であることは本格ミステリの第一義であると私は思っているのですが、そういう意味でみても、この作品は本格ミステリでした。この作品は、まだあまりミステリに慣れていない読者を対象に書かれているのだと思います。が、その一方で、多くのミステリを読み、ある程度のパターンが見えてきてしまうようになった擦れっ枯らした読者にも、初心を呼び起こす効果を持っているのではないか、そのように思えます。楽しませていただきました。

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丘守 2/15 8:38

レビューありがとうございます。ミステリ初心者に向けた作品を書くにあたって、ロジック部分を分かりやすく丁寧に書くことはとても意識しました。そこがミステリ読みの方にも効果的であるのではないか、というご指摘は私としては意外であり、大変嬉しい評価でもあります。お読みいただきありがとうございます。

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折房伝馬 2/15 12:07

ミステリに慣れてくると、ああ、これはあのトリックだな、で思考停止してしまい、深く考えなくなる事があります。でもこの話で、それを導き出すためにはこれだけの手順が本来必要なのか、というのを気付かされたのは、再発見と呼ぶに十分な驚きでした。

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