清瀬 美月

恋に落ちると臆病になるといいますが、人を好きになるということは、心が満たされることばかりじゃないよね。 気持ちが通じ合えた時は嬉しいけれど、そのうち欲求は生まれるし、思惑も増える。 そしてやっぱりどこかで相手に期待しちゃって落ち込んじゃうし、苦しさも切なさも痛みとなって、自分の胸に圧し掛かってきてしまうから、もうつらい。 『もう、詩なんて書かない』というタイトルの、詩集。 冒頭の『彼女は私の遺伝子変えた』という一文から、ぐっと心を持っていかれました。 遺伝子まで変えられちゃったら最早仕方ない。 ずっと想い続けていくしかないのかなって足掻きながらも、私だったら諦めてしまうかもしれないな。 本当、メランコリックは繰り返してしまう。 読みながら大きく頷いてしまいました。 今日のあなたに想う気持ちと、明日のあなたに想う気持ち。 その時々に様々で(独白も含めて)ある日の感情が踊るように綴られているから、切ないです。 記憶の恋に常に彼女の姿を探しているようであって、過去の君に語る言葉がどこか割り切って捉えている時もある。 読み手に共感を促すというよりも、この詩集は恋ちゃん自身が自分に対して読み聞かせているように感じられて、そこが好きだったりします。 よく読み返している作品は 『終ぞ得ぬ』『花旅』『強さを求めて』『君の笑顔』『白い昼空』『持ちつ持たれつ』です。 君のために何かしてあげたいと思った時に、彼女はいなくて。 苦しみぬいた言葉も愛しさに溢れていて、私には素敵な恋だったんだなと感じられました。 そして私も言葉を遺すのなら『ことづて』のように、私の想いに気づかないでほしいと願っています。 伝わらなくてもいいことがあると。 読むといつも胸が苦しくなっちゃうから困ります。 でも読んでいて自分の気持ちが客観的に見えてくるから不思議です。 葛藤の苦しさと痛みの余韻が私には必要というか、心に残しておきたいと思うんでしょうね。 だからやっぱりこの詩集が好きなんだと思います。 更新を楽しみにしている詩集です。 これからも恋ちゃんのペースで。 素敵な言葉を綴ってください。 一ファンとして、応援しています。
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